日本ディープラーニング協会(JDLA)は5月1日、生成AIの利用ガイドラインを公開しました。
同ガイドラインは、生成AIの活用を考える組織がスムーズに導入を行えるように、利用ガイドラインのひな形を策定し、公開したものです。
〇 ガイドラインの目的
本ガイドラインは、みなさんが【(例)会社】の業務で【(例)ChatGPT】などの生成AIを利用する際に注意すべき事項を解説したものです。
生成AIは、業務効率の改善や新しいアイデア出しなどに役立つ反面、入力するデータの内容や生成物の利用方法によっては法令に違反したり、他者の権利を侵害したりする可能性があります。本ガイドラインをよく読んでいただき、生成AIを上手に利用してください。
〇 ガイドラインの構成
生成AIは、いずれのサービスも基本的に「ユーザが何らかのデータを入力して何らかの処理(保管、解析、生成、学習、再提供等)が行われ、その結果(生成物)を得る」という構造です。
そのため、本ガイドラインは以下の2つのパートから構成されています。
▼ データ入力に際して注意すべき事項
生成AIに入力(送信)するデータは多種多様なものが含まれますが、知的財産権の処理の必要性や法規制の遵守という観点からは、以下の類型のデータを入力する場合、特に注意が必要です。
(1)第三者が著作権を有しているデータ(他人が作成した文章等)
(2)登録商標・意匠(ロゴやデザイン)
(3)著名人の顔写真や氏名
(4)個人情報
(5)他社から秘密保持義務を課されて開示された秘密情報
(6)自組織の機密情報
▼ 生成物を利用するに際して注意すべき事項
(1)生成物の内容に虚偽が含まれている可能性がある
(2)生成物を利用する行為が誰かの既存の権利を侵害する可能性がある
(3)生成物について著作権が発生しない可能性がある
(4)生成物を商用利用できない可能性がある
<参照>日本ディープラーニング協会(2023.5.1公表)
・生成AIの利用ガイドラインの作成にあたって
・生成AIの利用ガイドライン【条項のみ】
・生成AIの利用ガイドライン【簡易解説付】